大野一雄・隅田川乱一の本

舞踏関係のインタビューを頼まれていて、土方巽関係の写真集に目を通す。
あまりに時代精神に流されて、煮詰まっていた自分に気づき、やや光明を見出す。
勢いづいて、大野一雄「稽古の言葉」フィルムアート社買う。
稽古場での言葉の録音を起こしたものらしい。

「初心であっても未熟であっても私は差し支えありません。しかし私には願いがあります。じっとしていられません。自分の力をある程度知っていれば、その自分の力程度の花の踊りは、一生涯なくならない。自分の力以上に、うまくしようとして溺れるならば、元来持っていた力から生まれる花もなくなってしまう。初心というのは、この時期のことなのだ。若いときは微細にわたって体験しなければならない。それは今でも」

誰が現代において初心で未熟であれるのか?

亡くなった隅田川乱一さんの様々な雑誌に書かれたコラムなどを集めた「穴が開いちゃったりして」石風社もリブロで見つけて買う。町田康の愛情のあふれだしそうな前文に涙しそうになる。
書評など「宝島」クレジットのある原稿は25年ほど前に僕が依頼したものだ。
とくに「80年代を震撼させる!? 神秘学のスーパースターたち」は、僕の神秘主義への入門となった。当時、彼から聞いた話は、今でも思い出深い。

徴兵制に関する一考察

小泉自民圧勝。
弱肉強食といえば、まだ聞こえはいいけれども、要するに弱い者いじめの時代がますます加速していきますな。

日本は数年のうちに戦争に巻き込まれるのではないか、そうなったら早めに逃げ出そうと考えております。

昨日酒場でその話をしたら「まず徴兵制でしょう」とコウヨウがいう。
「それはもう俺、トシだから大丈夫だろう」というと、若い人からとるかは、わからんですよ、という話になる。そうか、若い労働力はとっておいて、賃金が高いリストラしたい中年を兵隊にする手はあるなあ。

そこまではまだよかったんだけど、話はもっとブラックになっていく。
「税金払っていない人から順に兵隊にするのはどうでしょうね?」
「おお、それすごいわ。今の世の中だと、みんな自分のことではないと思うと大賛成するぞ」

株の本が売れていますが、アメリカではデイトレーダーの9割以上が負け組だ、という記事をかつて読みました。負け組のくせに、自分だけは勝ち組に回れる、と錯覚している人が9割以上いるということですな。


まあ、憲法が改悪されて、それに対する抵抗勢力自民党の中からパージされたり、存在しなかったら、そろそろ海外移住ですなあ。

派閥は悪だと思っていたけれども、自民党の中でバランスをとり、多様性を保証していたのだな、と遅ればせながら気づきます。

スパム! スパム!

最近エッチ系のスパムが多くて、一日30通くらいかな。消すのに苦労する。昔はまとめて消していたけれども、最近は毎日消す。

曰く、30代の美人女社長がセックスに飢えていて、逆援助で「相場がよくわからないけれども150万円くらいでいいですか?」

んーな話あるわけねーだろ(笑)。そんな社長いないって(笑)。

え、ある? いや、ないよね? ひょっとして本当だったら……とかって思ったやつが500人に1人くらい返事するんだろうな。その中で10人に一人くらいが実際に金を巻き上げられる。
かくして5000人に1人を釣り上げるために、我々は日々スパムの嵐の中にほうりこまれる。

題名も進化してどんどん紛らわしくなる。
「明日会えますか」とか、「伝言ありました」とかはわかりやすい。
「その後はいかがおすごしですか?」
「先日はありがとうございました」
という系があり、
「認証されましたので……」
「初日招待券」
「5等に当選しました」
とかという特典シリーズがある。この5等のやつは4等はi-pod nanoだって書いてある。そっちがほしい(笑)。5等はもちろん3000円の出会い系サイト無料アクセス権。

図々しいのは、【親展】とか【重要】とか冒頭に書いてあるやつ。

いちばんバカなのは
「通達したいことが有りまして・・・」
通達っていうのは、役人がシモジモに向かって命令するときの言葉だよ。バーカ。
連絡の丁寧語の類だと思って高級な言い回しのつもりでいやがる。僕は他人の知識のなさや頭の悪さを嗤わないようしているが、こいつにだけは、バーカ、と大声で言ってやりたい。
システムもバカなのか、同じメールがもう7.8回くらい来ている。

スパムもいろいろ系列があるのだろうか? 珍しいスパムのタイトルがあったら教えてください。

三菱東京UFJ銀行?



家人が2が発売されて安くなったといって、『塊魂』というゲームを買ってきた。ビルでも樹木でも人間でも、そこらへんにあるものをなんでもくっつけて塊にしてしまう、というアナーキーなゲームで、単純といえば単純だが、やってみると、予想以上に快感がある。




東京三菱とUFJが合併して、三菱東京UFJになると聞いて、『塊魂』を思い出した。なんだい、この名前の不様な長さは。なんでもくっつければいいってものか? 保険のおばちゃんも長くてこれからは欄に書けない、と文句を言っていた。だいたいUFJからして当人たち以外に意味もわからない省略形なんだから、MTU銀行とでもすればいいではないか。




銀行は合併後も、それぞれが派閥を成して溶けあうことがないと聞く。では、名前の上に来るほうが偉いのか? 東京三菱が、どうして三菱東京にひっくり返ったのか。いろいろな想像をさせる。もうなんか、対利用者の美意識も何もなく内部の調整にあけくれた末の『塊魂』なネーミングは、またこの国を嫌いにさせる。いっそ、りそなもみずほもくっつけて、三菱東京UFJりそなみずほ銀行にしたらどうか。

ヘタうま書道の楽しみ

昨日はさるところで、っていうか秘密にする必要もないですけど、

MOC
http://www.wf-moc.net/detail/050714.html

えー、ここで書道その他の怪しい講座を行ってきました。まあ、半分非公開というか限定された人対象の講座なので広くは宣伝しませんでした。
結果的には、赤ワインなど飲みつつ、参加者全員表現大爆発して、楽しい講座となりました。

内容は、若干のレクチュア。『20ドル』という言葉を売るゲーム。それについでヘタうま書道。
美人のコーチングのプロも参加していたのですが、ひぇーっ、と驚きつつ、ゲームには苦しみつつ、楽しんでいたようなので、まあ、プロも驚く講座といえましょう。ははは。

やって改めて気づいたのですが、ヘタうま書道のいいところは、すごく簡便なところです。
100円ショップで買った画用紙。同じく100円ショップで買った墨汁と、墨汁を入れる小型のタッパウェアもどき。あと筆だけはちょっとだけ贅沢して。
画用紙に気が向いたときにさらさらと書いたら、筆だけ洗って、タッパはそのままフタをしておけばいいのです。2.3枚なら10分で書けます。
画用紙がなければカレンダーの裏でも、コピー用紙でもいいの。

学校の書道では、へなへなの半紙だから下敷きはいるし、文鎮はいる。硯はいる。安物の墨も擦れ。僕は小中学校時代、力がない上に、墨も硯も安物だから、いつまでたっても書けるほど濃くならない(ついでに紙も安物だ)。先生は墨で、といってたけれども、あれは建前みたいで、要領のいいヤツは黙って墨汁使っていたものな。余計な準備があれこれある上に、油断すると、手や服が墨で汚れる。
しかもお手本通りが正しくて、後から朱筆で直されたりする。あれで世の中の人々の9割は書道が嫌いになる。

でも、ヘタうま書道では、みんな個性的な字を書くんだよ。
筆という筆記用具がまた、その人のいろいろなことをそのまま現してしまうスグレモノなのだ。お手本を真似しようとすれば、あんなに不自由なものはないけれども、自由に動かせば本当にいろいろな線が出て楽しい。

そういう感覚が、初めて会った人たちともきちんと共有できて、自信を持ちました。主宰側の担当の人にも、物書きや編集者向けじゃなくて、一般の人やビジネスマンがけっこう必要としていますね、と言われたので、ちょっとそういう方向をまじめに考えてみようと思う。

創造性開発のセミナーやりまっせ。企業の人、呼んでくなはれ。(なぜ大阪弁に?)

かわいそうな貴の花

別に好きでもなんでもないが、哀れに感じる。もうあまりこの人をテレビで見たくない。
若が相続放棄しても態度を変えなかったとき、ああ、この人は……と思った。
「どうしてみんな俺だけ相撲界に置いていってしまうんだよ……」、この人はそう言いたいのではないか。
あの妙な髪型がそのことを物語っている。
「相撲も相撲界もダサくて大っ嫌いだ!」
一生言えないこの言葉を迂回しているから、彼の言葉と精神は奇矯に歪んでいく。

そのように僕には見える。
そんなにイヤならやめたっていいんだぜ。

亀戸餃子

楽笑会という知人のでるアマチュアの落語会を見に行った。
彼の「ねずみいらず」という落語はとても笑えた。

友人を誘ったのは、落語の後一杯、という楽しみがなければ、一人で亀戸くんだりまででかける気になれなかったからである。

ネットで、「亀戸餃子」と「さかな道楽」という店をチェックしていった。 「さかな道楽」も魚が新鮮で、「はもの湯引き」などうまかったが、やはり特筆すべきは、亀戸餃子であろう。
食べ物のメニューが餃子しかない。有名な店らしい。ビールと白乾を飲んだ。最初は一人二枚から頼む。一皿5個250円。野菜たっぷりの餃子らしい餃子。昔からの味とサイズである。
混み具合を見計らって焼いているようで、追加はすぐ来る。
四枚食べて友人にややあきれられたが、餃子好きの相手と行ったら、もう2.3皿は食べたことだろう。 そう言えば、渋谷の道玄坂にもカウンターだけの餃子だけの店があったが、最近通らないので、まだあるかわからない。

亀戸餃子のおばちゃんに「このお店は何年目?」と聞いたら、「昭和30年開店だから、50年」と答えた。ほぼ私と同い年である。