帝都東京・隠された地下網の秘密(新潮文庫 629円)

これは怖い本。
まだ途中だけれども、多くの人に読んでほしい。

永田町近辺の地下鉄駅が異様に深いのはシェルターがあるからだ、というようなことはよく言われていたが、どうもそれどころではない何かがここには暗示されている。

新刊は最近なかなか買わないが、中吊りを見て、ピンと来た。ただこの手の本は思わせぶりなだけで、はっきりしたことが書いてないもやもやしたものが多いが、この本では、資料も取材もたっぷりで明確な根拠が記されている。立ち読みして、オーケー、安い、買いだ!

僕はノンフィクションというものがあまり好きではないんだけれども、この本が読めるのは、著者が静かで激しい怒りと絶望を一見淡々とした記述に秘めているからだ。

役人の無駄遣いの批判なんかより、もっとずっと深い国家権力の闇のひんやりした手触り。

どんなホラーより怖く、どんなミステリーよりも謎で、そうして、すぐ僕らの隣でぱっくりと底の知れぬ口を開けているアンダーグラウンド

本物のジャーナリズムがいかにヤバいか、と震撼させる一冊。
著者と新潮社エラい!

(ミクシィの自分サイトより天才、いや転載)